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副業で月1万円、3万円、5万円と収入が増えてきたら、いつから確定申告が必要なのでしょうか。「20万円」という数字を聞いても、売上なのか、経費を引いた後なのかで迷うことがあります。
会社員の副業は、収入の種類と本業の給与の状況を確認してから、年間の金額で判断します。「副業20万円以下なら何もしなくてよい」とは限りません。所得税の確定申告と住民税の申告も分けて確認します。
この記事は、収入が発生した後の集計と申告要否の確認に絞った判断ガイドです。勤務先への届出や取引の準備は、会社員が副業を始める前に確認したいことで整理できます。
制度確認日:2026年10月20日。国税庁の令和8年4月1日現在の法令等に基づく案内と自治体の公表情報を確認しています。以下は一般的な整理であり、個別の所得区分・経費・申告要否は税務署、自治体、税理士等へ確認してください。
最初に確認|「売上」と「所得」は違う
業務委託や販売などの収入について、事業所得や業務に係る雑所得の基本的な計算は、総収入金額から、税務上認められる必要経費を引く形です。口座に入った金額と、売上・所得が同じとは限りません。
年間売上30万円 − 必要経費12万円 = 所得18万円
12万円がすべて必要経費として認められると仮定した計算例です。この結果だけで「申告不要」とは判定できません。他の所得、給与の状況、申告する目的、住民税も確認します。
サービス手数料や源泉所得税が差し引かれて振り込まれる場合は、契約・明細を確認し、収入と差引額を分けます。源泉徴収された所得税は、必要経費として引くものではありません。また、原則として収入の計上時期は入金日だけで決まらず、収入を受け取る権利が確定した時期によります。
給与収入は、この「売上−実際の経費」の式をそのまま使いません。給与の扱いは後の節で分けて説明します。
出典:国税庁 No.1350 事業所得の課税のしくみ、No.1500 雑所得、No.2200 収入金額とその計算、No.2210 必要経費の知識
会社員の副業でよく出てくる「20万円」とは?
本業の給与が1か所で、副業が給与以外の場合
国税庁は、給与収入が2,000万円以下で、1か所から受ける給与が源泉徴収・年末調整されているなどの一定の条件を満たす人について、給与所得・退職所得以外の所得の合計が年間20万円以下なら、原則として所得税の確定申告は不要と説明しています。
この場合に見るのは「副業の売上20万円」ではなく、対象となる所得の合計です。複数の受託先やサービスがある場合も、1社・1サービスごとに20万円を使えるわけではありません。副業以外の所得も確認します。ただし、源泉徴収ありの特定口座などで申告不要を選べる所得等には別の扱いがあります。
同じ前提で対象所得が20万円を超える場合は、確定申告が必要となる条件に該当します。ただし国税庁No.1900では、確定申告すると還付になる人を、申告が必要な人の列挙から除いています。金額だけで納税額まで決まるわけではありません。
20万円以下でも、確定申告するなら含める所得がある
20万円は非課税枠ではなく、一定の給与所得者についての申告省略の基準です。医療費控除などで確定申告をする場合には、20万円以下の副業所得も含めて申告します。
「本業分だけ還付申告して、副業分は20万円以下だから書かない」という扱いにはできません。源泉徴収済みの報酬でも、それだけで確認を終えないようにします。
20万円だけで判断しないケース
- 年間の給与収入が2,000万円を超える。
- 給与の支払先が2か所以上ある、または源泉徴収義務のない相手から給与を受けている。
- 同族会社の役員等で、その会社から給与以外に貸付金の利子・賃貸料等を受け取っている。
- 災害減免法による源泉徴収の猶予等を受けた、または退職所得の税額を改めて精算する必要がある。
これらは別の条件確認が必要です。給与の源泉徴収票と、他の所得の資料をそろえ、国税庁の判定要件を照合してください。
出典:国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人、No.1900の質疑応答(医療費控除と20万円以下の所得)
副業が「給与」の場合と「給与以外」の場合は違う
アルバイト等で雇用されて受け取る給与と、業務を請け負って得る報酬は、同じ計算にはなりません。名前が「副業」でも、契約と実際の働き方を確認します。
表は横にスクロールできます。
| 収入の形 | 金額を整理する基本 | 確認する資料・注意点 |
|---|---|---|
| アルバイト等の給与 | 給与所得は給与収入から給与所得控除額を引いて計算 | 源泉徴収票を用意。2か所給与の20万円判定は、下記のとおり未調整給与の「収入金額」を使う |
| 業務委託・アフィリエイト・スキル販売等 | 事業所得・業務に係る雑所得では、総収入金額−必要経費 | 契約、売上明細、経費資料を確認。活動の実態により所得区分が異なるため、一律に事業所得とはしない |
2か所以上から給与を受ける場合の20万円判定
給与がすべて源泉徴収の対象である場合、基本となる確認式は、年末調整されなかった給与の収入金額 + 給与・退職所得以外の所得金額です。この合計が20万円を超えると、確定申告が必要となる条件に該当します。副業給与だけから自由に経費を引いて20万円と比べるものではありません。
ただし例外として、給与収入の合計から所定の所得控除(雑損・医療費・寄附金・基礎控除を除く)を差し引いた金額が150万円以下で、かつ給与・退職所得以外の所得が20万円以下なら、申告不要となる扱いがあります。還付となる場合も含め、自分に当てはまる要件をNo.1900で確認してください。
出典:国税庁 No.1900、No.1400 給与所得、No.1500 雑所得
所得税の確定申告が不要でも住民税は別
所得税の20万円基準を、そのまま住民税に当てはめることはできません。横浜市は、給与以外の所得が20万円以下で所得税の確定申告をしない例について、市民税・県民税の申告が必要と案内しています。
所得税の確定申告をした場合は、通常、その申告内容が住民税にも使われるため、同じ内容の住民税申告を別に行う必要はありません。一方、所得税を申告しない場合には、住民税の申告が必要かを自治体に確認します。
給与だけで勤務先から給与支払報告書が提出されている場合など、別途申告が不要なケースもあります。提出状況、他の所得、追加する控除によっても確認点が変わるため、自分の自治体の申告案内を見てください。申告書の入手先や提出方法まで全国一律と決めつけないことが大切です。
出典:横浜市 給与以外に副収入がある場合の住民税の申告は…、市民税・県民税の申告について
副業で経費にできるものは?
必要経費は、収入を得るために直接要した費用や、その年の業務上の販売費・一般管理費などです。「副業をしているから、買ったものをすべて経費にできる」とは考えません。
- 取引にかかった手数料:どの売上に対応するものか、サービスの明細を残す。
- 材料・仕事用サービス等:業務との関係、利用内容、金額を説明できるようにする。
- 自宅の通信費など私用と混ざる支出:全額ではなく、記録等で業務に必要な部分を明確に区分できるかを確認する。
- パソコン等:金額や用途によって減価償却などの確認が必要。一度に全額を経費にできると決めつけない。
家事按分の割合を都合よく決めたり、20万円以下にするために不要な支出を増やしたりするものではありません。領収書があっても、仕事との関係や計上時期の確認は必要です。判断に迷う支出は、用途と資料をまとめて相談しましょう。
出典:国税庁 No.2210 必要経費の知識、No.1350 事業所得の課税のしくみ
副業を始めたら最初から残しておきたい記録
申告が必要になってから1年分を探すより、取引ごとに記録を残す方が、売上・経費・未入金を区別しやすくなります。次の表は当サイトの整理用チェック表です。
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| 記録すること | 残す資料・項目 | 見落とさない点 |
|---|---|---|
| 契約と売上 | 相手、仕事内容、取引日、納品・検収日、請求額、請求書 | 入金日だけで収入の年を決めない |
| 入金と差引額 | 入金日、入金額、手数料、源泉徴収の明細 | 売上と振込額を混同しない |
| 支出 | 日付、支払先、内容、金額、領収書・請求書 | 業務との関係、私用部分を記録する |
| サービス利用 | 取引履歴、報酬明細、利用料明細、電子データ | サービス退会等で閲覧できなくなる前に保存する |
| 給与と相談事項 | 各勤務先の源泉徴収票、年末調整の有無、不明点のメモ | 給与と報酬を分けて集計する |
記帳・保存の義務や保存期間は、所得区分や申告方法等で異なります。事業所得等では、所得税の確定申告が不要でも記帳・保存が必要です。業務に係る雑所得にも収入規模等による保存義務があります。電子で受け取った取引資料は、電子取引データの保存要件も確認してください。
最初は「売上」「経費」「入金」「証拠資料」を対応づけることから始め、月ごとに未整理の取引を確認します。記録の道具を使っても、所得区分や経費の可否が自動的に確定するわけではありません。
出典:国税庁 No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度、個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について、No.1500 雑所得
副業収入別の考え方|月1万円・3万円・5万円
次の表は、給与以外の副業で毎月同じ売上が12か月続くと仮定した、年額への換算例です。利益・手取りの予測や、税務上の申告要否の判定表ではありません。
表は横にスクロールできます。
| 仮の月間売上 | 12か月の年間売上 | 次に確認する金額 |
|---|---|---|
| 1万円 | 12万円 | 12万円−認められる必要経費 |
| 3万円 | 36万円 | 36万円−認められる必要経費 |
| 5万円 | 60万円 | 60万円−認められる必要経費 |
実際には開始月や繁忙期で売上が変わります。1月から12月までの実際の取引を集計し、他の対象所得も含めて前提条件と照合します。月1万円のケースでも、他の所得や還付申告、住民税の確認は必要です。副業が給与の場合は、この経費差引の表ではなく給与のルールを使ってください。
売上目標を小さく試す段階は副業で最初の月1万円を目指すステップ、継続する仕事量や費用を比較する段階は会社員が副業で月5万円を目指す方法が参考になります。収入を増やす計画と、発生した収入を記録・申告する確認は分けて進めましょう。
確定申告が必要か迷ったときの確認手順
- 副業収入の種類を確認する
給与なのか、それ以外の報酬・販売収入等なのか。契約名だけで分からなければ確認する。 - 年間収入を集計する
給与の源泉徴収票と、報酬・売上の明細を分けて用意する。複数サービス分もまとめる。 - 必要経費を整理する
領収書・請求書と用途を対応づけ、私用分や判断に迷う支出を分ける。 - 所得を計算する
給与と給与以外で計算を分ける。未調整給与の20万円判定には収入金額を使う。 - 国税庁の要件と照合する
給与額、支払先の数、源泉徴収・年末調整、他の所得、還付申告の予定を確認する。 - 住民税について自治体情報を確認する
所得税を申告しない場合も確認を終えず、給与支払報告書や副収入の状況を伝える。 - 判断できない点を窓口へ相談する
所得税は税務署・税理士等、住民税は自治体へ。資料を示し、所得区分・経費・申告要否を確認する。
問い合わせる際は「副業が20万円以下です」だけでなく、給与の支払先数、給与収入、年末調整の有無、副業の契約形態、年間収入と経費、他の所得、確定申告する予定の控除を伝えると、確認点を整理できます。
相談先:国税庁 税についての相談窓口
この手順は主に所得税・住民税の確認用です。インボイス登録等に伴う消費税など、別の税目に関する義務まで判定するものではありません。
まとめ|20万円だけで決めず、収入の種類と税金を分ける
副業の申告は、副業の種類 → 売上・経費・所得 → 所得税の要件 → 住民税の順で確認します。給与の副業に「売上−経費」の説明を当てはめたり、所得税の申告省略を「非課税」と読み替えたりしないことが大切です。
- 必要条件に当てはまる人は、資料をそろえて確定申告の準備を進める。
- 所得税の確定申告が不要と確認できた人も、住民税と記録・保存の扱いを確認する。
- 所得区分や経費、前提条件が分からない人は、数字を自己判断で当てはめず窓口へ相談する。
税金や経費の見込みを整理した後に、残るお金をどう使うかを考えます。次は副業収入を使う・貯める・投資する3つの選択で、生活費と現金の備えも含めて整理してください。

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